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　家事事件

第１　はじめに

　家事問題とは、男と女の関係、夫婦の関係、親と子の関係、子供をめぐる関係、扶養の関係の問題のことです。 家事問題は範囲が広く、しかも奥が深い。この家事問題は「弁護士泣かせ」と言われるほど、難しい事件が多いのです。
　ところが、家事問題の大部分は弁護士しかも問題に精通した弁護士に相談すらないまま闇に葬られています。時々その後始末として、事件が表面化する事があります。
　何故このような事が起こるのでしょうか。それは家事問題が日々の生活に密着しているが故に「常識で解決すれば足りる。回答が容易に出てしまう。」と考えてしまうからです。この常識で解決できるという思い込みが問題の解決の妨げになるという事案を紹介します。

第２　　事案

登場人物　　A：女性、相談者 　　　B：回答者 　　　　　　

A；　分かれた方がいいのでしょうか。どうしたらいいかわかりません。
B；　どうしたのですか。
A；　彼氏がいます。デートは彼氏の家にいったり、彼の家族と出かけたりすること
　　がほとんどです。でもそのたびに、彼の家族は私に悪感情をもつようです。彼の
　　姉は私のことが嫌いで私が気にしていることを露骨にいいます。彼の母は、私に
　　対して急にカッとなったりします。
　　　彼の姉の恋人は、外見がよく、私に対しても優しいのですが、彼の姉と私が不
　　満をぶつけ合うことを喜んでいるような気がします。
　　　どうすれば良いのでしょうか。彼のことは好きなのですが、嫌な気分になるこ
　　とが耐えきれないのです。

　　　あなたはどのように回答しますか。

１　まず、この事案をよんで、何らかの回答が浮かばなかった人はいないはずです。
　　こんな回答はありませんか。
　　「それはおかしい。本当に愛しているなら家族にそんな態度をあなたにとること
　　　を彼が許すはずがない。俺なら絶対家族にやめろというね。分かれた方がいい
　　　な。」
　　　このような回答もあります。
　　　「大事なのは自分の気持ち。自分の気持ちに素直になってみたらどうかしら。
　　　彼とあなたの問題なのよ。あなたと彼の家族の問題ではないのよ。後悔しない
　　　ように、よく考えて。一時の感情に支配されてはだめよ。」 　　　　　　

２　並の弁護士だと回答として多いのは，後者でしょう。この相談は「人生相談」で
　　あり、法律問題ではない。惚れた腫れたの話は要するに本人が決めることだと言
　　うわけでしょう。 　　　　　　

３　わたしこと「ヒゲの先生は違います」。 　　　　　　

４　「すぐ逃げられますか。」
　　わたしなら、別れる、別れないの二者択一の問いの他に、この「逃げようとおも
　　えば今すぐにでも逃げられますか」という問いをします。
　　　Aさんが怪訝な顔をしている場合、身の安全を守ることが重要だということを
　　分かってもらうために、具体的ななる事例を挙げて質問をします。
　　　具体的にはリベンジポルノ事件やストーカー事件さらに「洗脳」を手段とした
　　ものです。
　　　「洗脳」を手段としたものには、詐欺という犯罪から、金銭トラブルさらには
　　宗教トラブルがあります。
　　　これらの犯罪やトラブルについて説明すると、そういえばこんなことが彼や彼
　　の家族でありましたとAさんは記憶をたどって話してくれれます。 そうすれば
　　「すぐ逃げられる。」状況かどうかがわかります。
　　　むろん「すぐ逃げられる」状況下にない場合には、どのように対処すべきかを
　　教えます。 　　　　　　

５　別の選択肢もあります。
　　それは「あなたは彼を解放できますか。彼はあなたから自由ですか」
　　という質問です。
　　　これは、相談者がストーカーである場合を否定できないからです。
　　　彼の家族がAさんを不愉快にする理由は、Aさんのストーカー行為に耐え
　　きれず、Aさんが自ら彼と別れてくれればいいと思っているからかもしれ
　　ないのです。

第３　　結語

　このように人生相談と法律相談は紙一重です。
　弁護士をうまく利用された方が人生は上上です。
　なお当事務所は，電話相談でも対応できる個人顧問、ホームロイヤー制を導入しております。
　関心をお持ちのかたは、当事務所ホームぺージを見るか、当事務所に直接おたずねください。